更年期の肌の乾燥と肌荒れ!その原因と対策は?

なぜ?更年期の乾燥と肌荒れ!
お医者さまが簡単解説!

日本の女性は50歳くらいになると閉経することが多いといわれています。

更年期は閉経の前後約10年間なので、大体45-55歳となります。

更年期になると卵巣機能の低下と共に女性ホルモンが減少し、体や心にさまざまな変化が現れます。

肌も例外ではなく、乾燥やシワ、シミ、肌荒れなどを起こしやすくなるといわれています。

今回は、40代~50代の更年期に肌が乾燥や肌荒れを起こしやすい原因と対策についてわかりやすく説明します。

聴診器と医学論文

更年期にお肌が乾燥する原因

更年期には、女性ホルモンの1種であるエストロゲンが減少します。

エストロゲンは、女性らしさを保つホルモンともいわれており、肌のツヤやハリ、うるおいを維持するために重要です。


皮膚は、一番外側から表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっています。

皮膚の3層の中で、肌のうるおいやハリを保つ鍵となるのが真皮です。真皮にはタンパク質であるコラーゲンが網目状に存在しており、コラーゲンとコラーゲンをつなぐものはエラスチンとよばれています。

そして、網目のすき間を埋めているのがヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸は、肌のうるおい成分として聞いたことがある方も多いかもしれませんが水分保持に欠かせないゼリー状の物質です。

このように肌の弾力やうるおいは、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸によって保たれており、エストロゲンによって生成が促進されます。

つまり、更年期でエストロゲンが減少すると肌のうるおいを保つタンパク質などが減り、乾燥の原因となります。

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は、肌のうるおいだけでなく肌の弾力維持においても重要です。そのため、更年期による女性ホルモンの減少はシワやたるみの原因にもなります。

コラーゲンとエラスチンとヒアルロン酸がうるおいと弾力のカギ

更年期に肌荒れが起きやすい原因

更年期には、エストロゲンとよばれる女性ホルモンの減少からさまざまな肌の変化が起きます。

コラーゲンやヒアルロン酸などの減少による肌の乾燥や弾力の低下だけでなく、赤みやかゆみなどの皮膚の炎症、ピリピリとした痛み、ニキビなどを自覚することがあります。


では、なぜ更年期に肌荒れが起きやすいのでしょうか。

更年期では、自律神経失調症状が見られやすいといわれています。

ホットフラッシュ、頭痛、腰痛、めまい、下痢、便秘、イライラなど、いわゆる更年期障害の症状は自律神経のバランスの乱れによって起きると考えられています。

ホットフラッシュでは、急に顔がほてったり、暑くもないのに大量の汗が出ることがあります。

結果的に皮膚の機能のコントロールが難しくなり、肌にかゆみや赤みが出ます。

今まで使っていた化粧品が合わなくなったと感じる方もいるようです。

肌のトラブルが起きると、洗顔や保湿など今まで以上に気を遣うようになるかもしれません。

しかし、過剰に洗顔を行うと皮膚を守っている皮脂を洗い流してしまい、皮膚のバリア機能が低下して肌の乾燥やかゆみ、ピリピリとした痛みの原因になります。

一方で、保湿効果の高い化粧品を使い過ぎると毛穴に存在して肌を守る常在菌のバランスを崩す可能性があります。

赤みやニキビなどの皮膚炎は、常在菌のバランスの乱れによって起きるといわれています。

このように、更年期では自律神経の乱れに加えて、過剰なスキンケアによって肌荒れをしやすいと考えられています。

更年期の肌荒れ

更年期にピッタリな乾燥と肌荒れ対策は?

更年期には、エストロゲンという女性ホルモンの減少や自律神経の乱れによって皮膚の機能が低下し、乾燥やニキビ、かゆみなどの肌荒れを起こしやすいことが分かりました。

では更年期にピッタリな乾燥と肌荒れ対策について紹介します。

きれいな肌を保つためには、汚れをきれいに洗い流し、化粧水やクリームなどを使って十分な保湿をすればよいと考えるかもしれません。

しかし、更年期の場合には女性ホルモンの減少などに伴い、正常な状態よりも皮膚のバリア機能が低下しているので、その状態に合わせた対策が必要になります。

具体的には、洗い過ぎ、こすり過ぎ、保湿のし過ぎを防いだ方がよいといわれています。


皮膚の表面に存在する常在菌によって作られる皮脂は、皮膚の表面をカバーし、皮膚内部の水分が出ていかないようにしています。また、皮膚の外からの刺激から肌を守り、肌をなめらかに保ちます。

更年期で皮膚トラブルや肌質の変化を感じると、肌をきれいにしようと洗い過ぎる方がいます。

メイク落としでごしごしこすったり、洗顔後のすすぎを何度もすると、せっかくのバリア成分である皮脂まで落としてしまい、結果的に乾燥や肌荒れの原因になります。

洗い過ぎやこすり過ぎを防ぐために、朝は洗顔料を使用しないで顔を洗う、メイク落としと洗顔料が一緒になっているものを使用する、ふき取り式のメイク落としを使用しない、などの対策をしてみるとよいです。

拭き取りタイプのクレンジング

次に更年期に伴う乾燥と肌荒れに対して、保湿のし過ぎも問題になることがあります。

一般的に十分な保湿は肌を健康に保つためによいとされています。

しかし、更年期の場合には保湿効果の高い美容液やクリームを使用しすぎることによって皮膚の常在菌のバランスを崩し、赤みやニキビ、ピリピリとした痛みの原因になる可能性があります。

先ほど、洗いすぎによって皮膚の皮脂を落としすぎるとよくないと説明しましたが、皮脂は天然の美容クリームといっても過言ではないくらい優秀な保湿剤です。

つまり、高級クリームを使用しなくても、自分自身の皮脂で十分に保湿をすることは可能です。

乾燥や肌荒れをすると過剰に保湿をして、さらに肌の状態が悪化し、さらに保湿をするという悪循環に陥ることがあります。

更年期にピッタリな乾燥と肌荒れ対策としては、足りないものを補うくらいの化粧水や保湿クリームで十分と考えるとよいかもしれません。

まとめると、更年期にピッタリな乾燥と肌荒れ対策としては過剰な洗顔や保湿を防ぎ、自分自身の本来の肌能力を引き出すことが大切です。

基本的なスキンケアを見直すだけで、皮膚トラブルを改善することも可能なので、思い当たることがある方はぜひ参考にしてみてください。

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聴診器

執筆:大塚真紀(医師・医学博士)
東京大学大学院医学系研究科卒。
内科、腎臓、透析の専門医。
現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。


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